帰ってきたスズキ君

 約二週間にも及ぶ入院生活(すいませんHさん)から、ようやくスズキ君が帰ってきました。すいません、貧乏で弦と弓毛の張替代が出なかったもので…。

 神田の某弦楽器店に入院させていたのですが、その入院生活の間に表板にこびりついていた松脂(前の持ち主の方がヴァイオリンの扱いを知らなかったらしく、いじるだけいじって放置しておいた様子…)をきれいに除去していただいて、駒の調整までしていただいて、張替の実費のみ。弦の張替代、ほぼサービスじゃないですかHさん。
 その2週間の間に修理控えを無くし(鳥頭ですから)、ふらっと財布だけ持って行ったのですが、Hさん、こちらの顔を覚えていてくださったので、すぐにスズキ君が現れました。わぁい♪というか、こちらのお店に4/4の№280を持ち込む人が少ないのかも…。うちのスズキ君はケースもスズキ純正のままなので、ぱっと見№200のアウトフィットみたいな感じなんですが、中身はれっきとした№280です。しかも最初の持ち主の方が練習熱心な方だったようで、良く鳴ります。
お店に行った時は、隣のウクレレコーナーでウクレレを試奏している方がいて、「ああ、夏だなぁ」としみじみしました。今年は葛飾の花火も足立の花火も行けない夏でしたが、ヴァイオリンを始められたので、まあいい夏です。

 スズキ君と再会の後、予備を持たずに練習はできないそうなので(調弦で切れたりすることもあるそうなので…高いのに)ドミナントの替えを一セット購入して、Hさんに「きれいにしていただいてありがとうございました」とお礼を言いました。さあスズキ君のケースを閉め、帰ろうかとしたその時。
「タオル挟まってますよ」
と、Hさん。
 ケースの蓋にタオル(保護用)を挟んだまま閉めようとしていた、アホな私でした。

 始めにお会いしたときは、商売っ気の薄い愛想の無い人だなーと思ったのですが、一見のアホに怯えてたのでは…と反省しきりの私です。
 でも、素人目にも丁寧だなーと分かる作業をしてくれる方なので、これからもスズキ君ともども宜しくお願いします、と心の中でお願いしつつ、御茶ノ水へと戻る今日の私でした。
 さあ早くミュートを買って、おうちで弾こうっと。